◎医師の投資成績の詳細をブログで公開中!
こんにちは。医師の「はぴえすた」です。
自分は30代後半の勤務医で、「50歳からの不労所得生活(主に株の配当金による)」を目指して資産形成(当面の目標資産額は1億円)をしています。
ちなみに現在の投資総額(評価額)は約3465万円で、毎月約40万円を投資に回して約12年後までに不労所得生活を実現する予定です。
さて、先日までは「全世界株式ETF(VT,ACWI)」をひたすら毎月積み立てていましたが、この度投資方針の一部変更を行いました。
と言うのも、「インデックス投資は堅実だけど、資産形成に時間がかかるのは何とかならんかなあ…」という思いがあったからです。
そこで試験的に実践開始したのが今回紹介する方法なのですが、簡単に言うと「VTに疑似的に軽いレバレッジ(2倍以下)をかけた状態で投資する」というものです。
(*便宜的に「自作レバレッジVT」と呼びます。いわゆる「レバレッジETF(SPXLやTECL等)」は使いません)
この「自作レバレッジVT」に毎月投資していくことで、前回までのように普通にVTを買っていくよりも資産形成のスピードをアップさせ、資産形成期間の短縮を目指しています。
ただ、高いレバレッジには相応のリスク(強制的なロスカット等)も伴うので、個人的なリスク許容度を鑑みて「レバレッジは最大2倍まで」と決めました。
「どうやって自作レバレッジVTに投資しているか」等は後述するので、「インデックス投資(VT)×低レバレッジ」に興味がある方は参考にしてください!
(*投資は自己責任でお願いします!また、レバレッジ等に関しては勉強中のため、内容の正確性等はご自身でのご確認を宜しくお願い致します)
<追記>
(*最新の投資成績や運用状況は医師がサイドFIREに至るまで【2022年6月の投資評価額:約4716万円】のページにまとめていますので参考にしてください)
◎「自作レバレッジVT」への投資とは?
さて、上述した「自作レバレッジVT」への投資ですが、その中身は非常にシンプルです。
実際に行うのは以下の2点のみとなっています。
(*現在の投資額は18+22=40万円/月。レバレッジ込みの投資額は29.6+22=51.6万円/月)
以上です。簡単ですよね。
では、こうするとなぜVTに疑似的にレバレッジをかけることができるのかを書いていきます。
◎補足:CFDとは?(知っている方は読み飛ばし可)
CFDとは「Contract For Difference」の略で、「差金決済取引」と呼ばれます。
(*差金決済取引:現物での受け渡しを行わずに、反対売買によって出た金額の差で決済すること。「為替」を対象としたCFD取引がいわゆる「FX」)
CFDには一般的に「レバレッジをかけた取引ができる」「『買い』だけでなく『売り』からも入れる」等のメリットがあるんですよね。
そして当ブログ記事で紹介する「自作レバレッジVT」はCFDの「レバレッジをかけられる」という特性を活用したものになっています。
◎補足その2:なぜ「GMOクリック証券」でCFDを買うのか?
先ほど「CFDを買う」という部分で「GMOクリック証券で買うのが重要!」と注意書きをしました。
その理由は「GMOクリック証券は他の業者よりもCFD長期保有のコストが安いから」ですね。
(*決済期限も無期限なので長期保有が可能)
特に、GMOクリック証券では「S&P500等の株価指数CFD」に投資する場合、いわゆる「オーバーナイト金利(金利調整額)」がかからない利点があるのです。
(*オーバーナイト金利:CFDのポジションを翌日以降に持ち越す際に支払う金利。GMOクリック証券でも「株式CFD」等の取引にはオーバーナイト金利がかかる)
当ブログ記事で紹介する方法はGMOクリック証券以外の業者でやろうとするのはコストが高くなってしまうため、あまりお勧めできません。
(*僕自身はこの度CFD取引を始めるために、わざわざGMOクリック証券口座を新たに開設しました。それ程CFD取引におけるGMOクリック証券の使い勝手は優れています)
◎自作レバレッジVTの中身
さて「自作レバレッジVT」に話を戻しますが、まず「自作レバレッジVT」ではなく「通常のVT」について考えてみます。
VTは「全世界株式ETF」なので、その中身は「米国株ETF(=VTIに相当)」と「米国以外の株ETF(=VXUSに相当)」に分解して考えることができます。
つまり、VT≒VTI+VXUSです。
そして、過去リターンを見るとVTI(全米株式)とVOO(S&P500に連動)はほぼ同じ成績です。
(*ここは異論のある方もおられるかもしれませんが、個人的には両者に気になる程のリターン差はありません)
よって、VT≒VOO+VXUSと考えます。
なお、VTのおよその構成比率は「米国:米国以外≒4:3」となっています(2021年4月現在)。
(*米国が約57%,米国以外が約43%なので、およそ4:3)
よって、「VOOとVXUSをおよそ4:3の割合」で購入していくと、「自作のVTに近いもの」に投資できることになるのです。
(*例えば「VOOを40万円分とVXUSを30万円分買う」というのは「VTを70万円分買う」のと同じような行為であるということです。まあ、「完全に同じ」ではないですが…)
ここでポイントなのが、「VOOにはレバレッジをかけて買う手段がある」ということです。
(*VXUSにレバレッジをかけて買う手段は多分ありません。ご存じの方がいたら教えてください…)
僕の場合は前述したように「米国S500(S&P500にレバレッジをかけて買えるCFD)」を買うことでVOO(というかS&P500)にレバレッジをかけています。
そして、「S&P500への投資額(レバレッジ込み)」と「VXUSへの投資額」が4:3になるように金額を調整してVXUSを買えば、自作レバレッジVTの完成です。
…と長々書きましたが、やること自体はシンプルです。
再掲しますが、現在僕の投資方法は以下のようにしています。
(*現在の投資額は18+22=40万円/月。レバレッジ込みの投資額は29.6+22=51.6万円/月)
要するに、毎月40万円の元手で51.6万円分のVT(みたいなもの)を買っているということです。
(*投資効率は51.6/40=1.29倍となり、普通にVTを買うより単純計算で1.29倍資産形成のスピードがアップします)
また、「米国への投資額(レバレッジ込みで29.6万円)」と「米国以外への投資額22万円」がおよそ4:3の金額になっていることもわかると思います。
◎「レバレッジETF」ではなく「CFD」を買う理由
冒頭にも書きましたが、レバレッジをかけた取引にはCFD以外にいわゆる「レバレッジETF(SPXLやTECL等)」もあります。
ただ、CFDと比べるとレバレッジETFには以下のようなデメリットがあるので、個人的には好みではないんですよね…
レバレッジETFに投資している方ならご存じだと思いますが、レバレッジETFの値動きは結構癖がありますよね。
レンジ局面では減価しやすいし、暴落時には原資産の3倍の速度で下落するので「長期保有には微妙かなあ」という感じがします。
(*一方で、CFDによるレバレッジは「値動き」ではなく「投資額そのもの」にかかるので、CFDの値動き自体は原資産と同じです)
また、コスト面でもレバレッジETFよりCFDの方が安く済むと思います。
例えばSPXLやTECL等の経費率(信託報酬)は年間約1%で、取引手数料は毎回0.5%程度かかりますよね。
一方、CFDには信託報酬に相当するコストはなく、取引手数料はスプレッドのみなので約0.007%程度と格安です。
(*GMOクリック証券でS&P500のCFDを買う場合。CFDのコストは業者によって異なります)
また、CFDなら入金額を調整することでレバレッジを任意の倍率に変更できるのも良いですね。
「レバレッジをかけたいけど3倍はちょっと高いな…」という方もCFDならレバレッジを1倍~10倍の範囲で調整できるので、リスク許容度に応じた投資がしやすくなりますよ。
(*僕自身も入金額を調整することでCFDにかけるレバレッジを1.6倍程度にしています)
◎株価の変動に応じてレバレッジ倍率は調整予定
前述したように、2021年4月現在ではS&P500のCFDにかけるレバレッジを約1.6倍としています。
(*毎月18万円の元手で毎月29.6万円分のCFD投資をする予定なので、29.6/18≒1.6)
そして今後も同じレバレッジのまま投資を続けても良いのですが、「株価の変動に応じてレバレッジを変えるとさらに良いのでは?」と考えています。
具体的には、「今後株価が上昇した場合はレバレッジを下げ、株価が下落した場合はレバレッジを上げる(上限2倍)」ということですね。
(*株価が安い時期には多く買い、株価が高い時期には少なく買いたいので)
ちなみに、以下の表は株価の変動と、それに応じたレバレッジ倍率の変化をまとめたものです。
あくまで現時点での個人的な投資指針なので、興味のある方だけご覧ください。
(*スマホ等から見ていて表の左右が見切れてしまう場合は、表の部分を左右にスワイプしてみてください)
S&P500CFD価格(万円) | CFDへの投資額(万円):A | CFDレバレッジ倍率(倍):B | レバレッジ込みの米国投資額(万円):C | VXUSへの投資額(万円):D | レバレッジ込みの総投資額(万円):E | |
70-75 | 23 | 1 | 23 | 17 | 40 | |
65-70 | 22 | 1.09 | 24 | 18 | 42 | |
60-65 | 21 | 1.2 | 25.2 | 19 | 44.2 | |
55-60 | 20 | 1.33 | 26.7 | 20 | 46.7 | |
50-55 | 19.5 | 1.4 | 27.3 | 20.5 | 47.8 | |
45-50 | 19 | 1.47 | 28 | 21 | 49 | |
40-45 | 18 | 1.64 | 29.6 | 22 | 51.6 | |
35-40 | 17.5 | 1.71 | 30 | 22.5 | 52.5 | |
30-35 | 17 | 1.8 | 30.6 | 23 | 53.6 | |
25-30 | 16.5 | 1.9 | 31.3 | 23.5 | 54.8 | |
25以下 | 16 | 2 | 32 | 24 | 56 |
(*補足:毎月の投資額が40万円なのでA+D=40、VTの構成比率に合わせてC:D≒4:3。また、CFD部分のレバレッジ倍率B=C/Aで、レバレッジ込みの毎月の総投資額E=C+Dです)
現時点でのS&P500CFD価格が約42万円なので、太字で示したラインのレバレッジ倍率(約1.6倍)で買っています。
今後株価が上昇(表の上方向)すればレバレッジは下げ、株価が下落(表の下方向)するならレバレッジは上げる(上限2倍)予定です。
そして今後の株価が上昇するか下落するかは…全くわかりませんね。
一応、下落余地も上昇余地も一定以上あると考えて、現在のレバレッジ倍率は1倍と2倍の間をとって約1.6倍としました。
(*最初から高いレバレッジにすると、株価が下落して買い増す際にさらに高いレバレッジにするのが心理的に困難になりそうなので)
なお、S&P500CFD価格が70万円以上でレバレッジ1倍となるように設定しています。
レバレッジ1倍ならCFDを使うのではなく、普通にVTを買うのでも良いかもしれません。
まあ、S&P500CFD価格が現在の約42万円から70万円以上になるにはまだ時間がかかると思うので、その時が近づいたらまた考えることにします。
◎レバレッジ取引(CFD)とロスカットの危険性
さて、レバレッジをかけた取引をしていると避けては通れないのが強制的なロスカットの問題です。
参考までに、現在の約1.6倍のレバレッジの場合、S&P500が約58%下落するとロスカットとなります。
(*レバレッジが2倍なら約44%の下落でロスカット。一応計算式を出したのですが、ちょっと自信がないので各自で計算してみてください…)
ちなみに有名なリーマンショックの際、S&P500の下落率は約53%だったようです。
つまり、レバレッジ1.6倍ならリーマンショックでも耐えられるということですね。
しかも、「リーマンショックで53%下落した」と言っても、1日でそれだけ一気に下落したわけではありません。
実際には「およそ1年半かけてリーマンショック前の直近高値から最安値まで53%下落した」ということです。
現在のレバレッジなら一瞬で株価が58%下落しない限りはロスカットされないので、そこそこ安全な水準かなと思います。
◎「仮にロスカットになっても大きな問題はない」と考える理由
なお、できればロスカットは避けたいものですが、仮にロスカットになってもそんなに心配はないと考えています。
と言うのは、ロスカットされても「必要証拠金」分のお金だけは口座に残るので、その残ったお金でロスカット前と同数のCFDを買い戻すことはできるからです。
(*ただし、必要証拠金ぎりぎりの資金で買い戻した場合のレバレッジは上限の10倍相当になるので、わずかな株価下落で再度のロスカットになります)
また、そもそも毎月の積み立てをしていれば株の購入単価は平均化されていき、極端な高値でのポジションを持つことにはなりません。
(*S&P500のように「長期的には右肩上がり」と思われる資産に積み立てを続けていけば、いずれは含み益となることが期待されます)
いずれ株価の暴落局面は来るとしても、含み益の状態からロスカット水準まで一気に下落するような急落となる可能性は低いのではないかと考えています。
よほど急激な下落でなければ、手持ちの現金を口座に追加入金してロスカットを避けたりもできますし。
(*勿論、レバレッジ倍率が高いほどロスカットされやすくなるので、レバレッジは程々にしておくのが無難でしょう)
◎現在の保有銘柄(2021年4月現在)
ちなみに現在の投資評価額は約3465万円で、保有銘柄の内訳は以下の通りです。
- VT:139575.12ドル
- ACWI:139575.72ドル
- VGSH:29690.01ドル
- S&P500CFD:約26万円
- VXUS:1990.2ドル
(*為替レートは記事作成時の1ドル=110.64円で計算)
なお、現在の株価が続いた場合、CFD口座への入金額が約26万円を超える毎にS&P500を1枚買うとレバレッジが1.6倍相当になります。
(*年間で8枚強のS&P500CFDが買える計算)
毎月のCFD口座への入金額は本来18万円の予定ですが、初月からCFDが1枚買えるように初回のみ入金額を18万円ではなく、26万円に増やしています。
(*翌月は18万円ではなく10万円の入金にして、2か月で計36万円の入金に調整する予定)
◎今後の投資方針
今後の投資方針ですが、当面は「自作レバレッジVT」への投資を継続していきます。
(*CFDに関しては約1.6倍のレバレッジを継続。ただ、資産の増減にメンタルがついていかないようならレバレッジを予定より下げるかも…)
レバレッジをかけている分、前回まで行っていた「現物ETFの積み立て」よりもハイリスクな状態なので、当面は現金も厚めに保有するつもりです。
なお、前回の記事(医師の不労所得生活【2020年1-12月の配当金:37万4868円】)では「債券や金等への投資」も検討していましたが、今回レバレッジ取引を始めた関係で見合わせとしました。
(*レバレッジにメンタルが慣れるまでは少しでも現金を確保して心の余裕を保っておきたいので)
また、VTやACWI等のETFはそのまま保有継続します。
VGSHは実質的に待機預金枠なので、今後VT等が暴落した際にVGSHを売ってVT等を買い増す用の資金として引き続き待機させておきます。
ちなみにVTの構成比率は今後も変動するはずなので、「S&P500CFD」と「VXUS」の購入比率は定期的に(年に1回くらい?)見直す予定です。
◎おわりに
「50歳からの不労所得生活(当面の目標資産額は1億円)」達成を目指す医師の投資方針や運用成績等について紹介しました。
非常に長くなってしまいましたが、今後も運用成績等については定期的にブログにまとめていく予定なので、どうぞご覧ください。
なお、資産形成のためには投資だけでなく「本業での収入アップ」や「支出を減らすこと(節約)」も非常に大事です。
この辺りのことは医師にお勧めの資産形成の方法まとめのページも参考にどうぞ!
また、現役医師にとって資産運用と同様に重要なのが「働けなくなるリスク(病気、怪我等)への対処法」です。
こちらについては「民間医局」登録を全ての現役医師にお勧めする3つの理由のページで解説していますので、併せて参考にしてくださいね。